活動報告
築地再開発、この1ヶ月で何が進んだ?全協での質疑&協議会資料から見えた「新事実」と「具体的回答」を解説
前回の協議会レポート(6月)では、事業者から提示された大規模な再開発の全体像をお伝えしました。前回の6月29日の協議会の議事要旨はhttps://www.city.chuo.lg.jp/documents/18249/260629kthgijiyoushi.pdfで読めます。それから1ヶ月。今回の協議会に先立ち開催された議員向け全員協議会、および協議会で提出された回答資料により、計画の具体的な数字や新たな事実が明らかになりました。
傍聴が限られている本日の協議会の内容に加え、私が全員協議会で事業者に直接質疑して引き出した「駐輪場配置の真意と安全対策」 を含め、この1ヶ月で何が前進・明確化したのかを解説します。
1. 前回から何が変わった?5つの「前進ポイント」
前回の「構想段階」から、今回の協議会で「具体的な数値や仕組み」に落とし込まれたポイントを一覧にまとめました。
| 検討テーマ | 前回のレポート(6月)時点 | 今回の協議会(7月)で前進・明確化した点 |
| ① 住民・地元の検討体制 | 方針の提示にとどまる | 2026年秋頃に準備会を立ち上げることや、今年度内の検討体制構築が明確なスケジュールとして決定。 |
| ② 歩行者デッキ(3本) | 整備の方針レベル | 「中央市場前」「旧青果門前」の2本は1期まちびらき時の開通を目指すことが明確化。「市場橋交差点」は早期実現に向け調整。 |
| ③ 工事中対策・環境 | 大型車の混雑懸念 | 2バースの船着場を活用した海上輸送の最大化や、敷地内への作業員用シャワー・ロッカー設置など具体策が提示。 |
| ④ 場外市場・区有地再編 | 景観や機能維持の議論 | 工事中の代替駐車場(100〜160台)の跡地内確保や、場外市場用駐車場300台以上の目標数値が明記。 |
| ⑤ 防災機能の数値化 | 「防災拠点を作る」概念 | 屋外避難約2.1万人、屋内滞在約1.63万人(3日分)、防災倉庫60㎡・消防団施設20㎡など定量的な数値が判明。 |
2. 「中央区まちづくり基本条例」のクリア状況
中央区が定めている「まちづくり基本条例」や各種ルールに基づき、今回の計画で敷地内に具体的に設置されることが決まった施設・基準は以下の通りです。
- 環境・緑化:敷地全体で緑化率40%以上を確保(住宅棟はZEH、非住宅棟はZEB水準の脱炭素化)
- 子育て・バリアフリー:「赤ちゃん・ふらっと(授乳室等)」、誰でもトイレ、観光案内所の設置
- 街環境・マナー:公共用喫煙所の設置、EV急速充電器の導入
- 無電柱化の推進:隣接する波除通り(特別区道中京第490号線)の無電柱化を実施
3. 【アルールうた子】全員協議会での質疑:駐輪場が「敷地奥」にある理由
協議会に先駆けて行われた全員協議会にて、限られた質疑時間(4分間)を活用し、区民の方からのお声の懸念される「自転車動線と歩行者の安全性」について事業者に直接問いました。これはまちづくり基本条例に沿って業者が反映する事項です。(築地場外市場とは別に整備するものです)

【資料のポイント解説】
図面右側(波除神社・波除通り周辺)の青色エリアに、以下の交通インフラが集約配置される計画です。
- ② 自動二輪車駐車場:計 30〜40 台
- ③ 自転車駐車場:計 130〜200 台
- ④ コミュニティサイクル:計 40〜60 台
- ⇒ 合計 200〜300 台規模の整備計画
※撮影された公式資料「交通対策」の図面右下・波除神社付近の数値を抜粋して可視化しています。
【公式資料「交通対策」より抜粋】
- ② 自動二輪車駐車場:計30〜40台
- ③ 自転車駐車場:計130〜200台
- ④ コミュニティサイクル:計40〜60台
⇒ 計200〜300台規模の駐輪スペースが、新大橋通り沿いおよび敷地奥の波除神社・波除通り付近を中心に集約配置される計画となっています。
質疑①:なぜ駐輪場が奥まった位置(波除神社付近)にあるのか?
【事業者からの回答(新事実)】
波除神社付近の敷地奥エリアは、将来的に「都心部・臨海地域地下鉄」の新駅出入口が整備されることを見据えた配置であるため。将来の駅利用者の利便性を最大化させる意図で計画されています。
質疑②:自転車が増える中、歩行者との交差・事故は防げるのか?
【事業者からの回答】
駐輪場へのアクセスにおいて、歩行者と自転車が交差して危険が生じないよう、「歩車分離の動線設計」や「安心・安全な歩行者空間の整備」を確実に確保していく方針であることが確認できました。
【視点】
「なぜ奥にあるのか」という疑問に対し、将来の地下鉄新駅を見据えた合理的理由が確認できたことは大きな収穫です。ただし、実際に運用が始まった際に歩行者が安心して歩ける空間が実現するかどうか、今後の詳細設計(立体分離や専用レーン等の具体的な形状)を引き続きチェックしていきます。
4. 【今後の最大の課題】「地元組織との準備会」に区民の声は届くか?
計画が具体化してきた今、もう一つの重要なテーマが「検討プロセスの透明性」です。
資料では、秋頃に「地元組織と連携した準備会」を立ち上げるとされています。しかし、この「地元組織」が既存の特定団体だけに留まった場合、一般の区民や都民の意見が反映されないリスクがあります。
単なる「報告・説明の場」で終わらせず、パブリックコメントや住民説明会など、広く多様な声を吸い上げるオープンな仕組みを構築させることが今後の焦点です。
5. 今後の進め方:都・区・首都高の早期協議が不可欠
今回の都市計画は3段階(STEP1〜3)で進められます。今回はまず「STEP1」として地区全体の高さや容積率などの基本ルールが決定されました。
しかし、今後「STEP2(歩行者デッキ等の詳細)」や「STEP3(地下鉄新駅や晴海線との連動)」へスムーズに進むためには、大きな課題があります。
それは、事業者だけの努力ではなく、東京都・中央区・首都高速道路株式会社の3者による「都市基盤整備方針検討会」において、「都市高速道路晴海線」や「築地川アメニティ整備」などの具体案をどこまで早期に詰められるかという点です。
インフラの骨格が決まらなければ、歩行者デッキの接続や周辺まちづくりも具体化しません。単に事業者の計画を追うだけでなく、行政と首都高側の協議スピードと具体化をしっかり注視・働きかけていく必要があります。中央区では「築地・東銀座における都市基盤整備方針」検討会を今後開催していきます。


地下鉄新駅を見据えた駐輪場計画などの前進が見えた一方、歩車分離の形、高速晴海線など基盤整備の協議状況、そして区民意見の反映方法など、課題点はあります。引き続きお声をお寄せ下さい。
今回の令和8年度7月27日協議会資料については近日中に区のホームページで公開される予定です。今日現在は6月29日まで掲載https://www.city.chuo.lg.jp/a0041/machizukuri/toshikeikaku/machi/kyougikai/kaisaigaiyou/r8.html






